プログラミング問題への対策
シラバスVer.6.0から、プログラミング的思考力を問うための、プログラム言語(擬似言語)で書かれたプログラム問題が出題されます。擬似言語は、ITパスポート試験独自のプログラムの表記方法です。提示された処理手続きが正しく行われるように、プログラムを読み解いて解答します。
プログラムの記述において重要な用語やルールを説明します。プログラム問題は難しいとイメージされるかもしれませんが、プログラムを穴埋めして完成する問題なので、ルールに従ってプログラムを読んでいくと十分に正解を得ることができます。まずは、プログラムを読むのに必要な知識をしっかり確認しておきましょう。
関数
関数は、与えられた値に対して、何らかの処理を行い、結果の値(戻り値)を返すものです。あらかじめ機能が用意されている関数を使うこともありますが、「関数の宣告」をして処理する内容を定義することができます。たとえば、上の例のプログラムでは1行目で「calcMean」という関数を宣言し、2行目以降で行う処理を定義しています。なお、関数名の前の「実数型」は戻り値のデータ型で、関数名の後ろの( )の中には処理に使うデータ名「dataArray」とデータ型を引数として指定しています。
関数の記述ルール
手続き・関数を宣言するとき、先頭に「〇」を記載します。これから、こういう手続き・関数を記述します、という意味です。
なお、「/* 関数の宣言 */」はプログラムに付けられた注釈で、処理には影響しない記述です。
注釈を入れるとき、「/* □□ */」 や「// □□」(□には簡単な説明が入る)のように記載します。
変数
変数は、数値や文字列などのデータを格納する「箱」のようなものです。繰り返し使ったり、後から参照したりするデータを一時的に記憶しておくことができます。変数には、「x」、「y」、「sum」などの名前を付けておき、これを変数名といいます。
変数にデータを入れる処理を「代入」といい、図1は変数xに「5」を代入した様子を表したものです。図2は「5」を代入した変数Xに対して、「x+10」を2回繰り返す処理を表しています。
変数の記述ルール
変数への代入は、「x←0」のように記載します。
配列
配列は、データ型が同じ値を順番に並べたデータ構造のことです。配列の中にあるデータを要素といい、各要素には要素番号(添え字)が付けられています。プログラムで配列の中のデータを使う場合、配列名と要素番号によって指定します。たとえば、次の配列「exampleArray」について、「exampleArray[4]」と指定すると、値「7」にアクセスすることができます。
要素番号は「0」から始まる 場合もあるので、問題文で確認しよう。
なお、上の図のようにデータを1行に並べたものを一次元配列、また、データを2行以上で表のように並べたものを二次元配列といいます。もし、配列「exampleArray」が二次元配列で、2行目5列目にある要素の値にアクセスするときは「exampleArray[2, 5]」のように指定します。
データ型
データ型は、プログラムで扱うデータの種類のことです。どのデータ型であるかは、プログラムで定義します。よく使う基本的なデータ型には、次のようなものがあります。
- 整数型:整数の数値を扱う (例)4 95 -3 0
- 実数型:小数を含む数値を扱う (例)1.23 -87.6
- 文字列型:文字列を扱う (例)"合格" "maru"
データ型の記述ルール
変数を宣言するとき、次のようにデータ型も記載します。
(例)
- 変数 x と変数 sum が実数型、変数 y が整数型
- 実数型 x、sum
- 整数型 y